転職

2023.11.16

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従業員数20人以下の会社に転職するメリット・デメリット

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転職をするにあたって、従業員が多い大企業に応募するか、従業員が少ない中小企業を選ぶのか迷うことがあるかもしれません。もちろん従業員の数だけで、企業の良し悪しが決まるわけではありませんが、従業員の数や企業の規模によって、仕事の範囲や進め方、待遇などが異なります。

そこで本記事では従業員の20人以下の小規模の会社に転職する際のメリットとデメリットを解説します。

従業員数が少ない企業とは

中小企業に関する施策の基本となる事項を定めている法律である「中小企業基本法」では、中小企業者を次のように定義しています。

このうち小規模企業者は従業員の人数によって定義されていて、製造業その他の業種は従業員20人以下、商業・サービス業は、従業員5人以下とされています。

また、「小規模事業者支援法」「中小企業信用保険法」「小規模企業共済法」の3つの法律においては、政令によって宿泊業および娯楽業を営む従業員20人以下の事業者を小規模企業としています。これらの定義からすると20名以下の場合には、従業員が少ない企業と言えるでしょう。

では、実際に従業員が少ない企業がどのくらいあるのかを見ると、従業員が1~4人の企業は全体の56.2%、5~9人の企業は19.4%、10~19人は12.5%で、合わせると88.1%は従業員が19人以下の企業です。

参考:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」
参考:経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」

少人数の会社で働くメリット

では、従業員が少ない会社で働く際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

幅広い業務を経験できる

大企業など従業員が多い会社では、部署や個人の業務分担がしっかりと決められています。一方で、従業員が少ない会社の場合には、1人で幅広い範囲の業務を担当しなければなりません。
例えば、大企業では事務職でも総務や経理、人事など担当がわかれている業務でも、従業員が少ない会社ではいくつもの業務を兼務するケースがあります。そのためさまざまなスキルや知識が身につきます。

また業務が細かく分業されていないため、仕事の流れを最初から最後まで見て、業務全体を把握できるのもメリットのひとつです。

異動や転勤が少ない

従業員が少ない会社は、そもそも会社の規模が小さいため、支店や営業所など複数の事業所を持っているケースは多くありません。また部署も多くないため、異動や引っ越しを伴うような転勤になる可能性は少ないでしょう。

異動や転勤になると新しい仕事や職場の環境に慣れるまで時間がかかります。従業員が少ない会社の場合には、そのような変化の心配がありません。

経営層と近い距離で仕事ができる

従業員が少ないということは、経営層と近い距離で仕事ができることになります。大企業に転職した場合、入社してすぐに経営に関わるような仕事に関われるケースはほとんどないでしょう。経営者と近いことから、経営の視点やノウハウなどを学ぶことができ、将来独立や起業する時に危険として大きなプラスになります。

また、経営層と近い距離で仕事することには、意思決定のスピードが早いといったメリットもあります。大企業の場合には、業務を進めるにあたってたくさんの上司の決裁を取らなければならないため、承認に時間がかかります。一方で経営層と近ければ、それだけ意思決定のスピードが早くなります。

成果を上げれば早く昇進できる

大企業では昇進や昇格の基準やルールが明確に決まっています。また競争相手の社員も多いのでスピード出世するのは難しいでしょう。一方で従業員が少ない会社の場合には、大きな成果を上げれば、能力を高く評価されて抜擢されたり一気に昇進するケースもあります。

少人数の会社で働くデメリット

一方で少人数の会社で働く場合、どのようなデメリットが考えられるでしょうか。

経営の安定性が不安

従業員が少ない小規模の会社の場合、いろいろな事業を多角的に展開しているケースは少なく、ひとつの事業に特化していることが多いでしょう。そのため、経済環境の急激な変化や、競合の参入などの影響で、中心としている事業が不振になると経営が不安定になる可能性があります。

また、小規模の会社では、新たな設備投資や人材を投入する資金の余裕があまりありません。そのため、事業拡大や企業の成長が難しいといえます。

収入が低い傾向にある

厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、大企業の平均賃金は348.3 千円、中企業が303.0 千円、小企業は284.5千円となっています。このように企業規模間で賃金の大きな格差があります。給与は産業によっても、また企業によっても異なるため一概には言えませんが、従業員が少ない小規模の会社は大企業と比べて収入が低い傾向にあります。

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」

業務量が多く労働時間が長くなりがち

従業員が少ない小規模の会社では、限られた社員で仕事を回さなければならないため1人が負担する業務量が多くなりがちです。また、誰かが休んでも代わりに仕事ができる人がいないケースも少なくなく、体調が悪くても無理して仕事をしなければならない場合もあります。

大企業の場合には、有給休暇やリフレッシュ休暇などの制度が充実しています。しかし小規模の会社の場合には、有給休暇が消化できない、休日出勤しても振替で休めないなど従業員の不満につながることもあります。

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査の概況」によると、従業員が1,000人以上の大企業の労働者1人平均年間休日総数は119.1日、300~999人で116.8日、100~299人で113.0日、30~ 99人で110.0日となっていて、従業員数が少ない企業は多い企業と比べると年間休日が少ないという結果になっています。

参考:厚生労働省「令和4年就労条件総合調査の概況」

福利厚生や教育制度が整っていない

経営が安定している大企業は、通勤や住宅、子育てや介護、余暇やリクリエーションなどに関する法定外福利厚生が充実している傾向があります。

また大企業では社員教育に十分な予算と時間を充てることができますが、資金や人材に余裕のない小規模の会社では福利厚生や教育制度も整備されていないケースがあります。

少人数の会社が向いている人

従業員が少ない小規模の会社に向いている人には、どのような特徴があるのでしょう。業種や業務内容、企業風土など会社によっても異なりますが、次のようなタイプの方は大企業より少人数の会社の方が向いていると言えます。

・最初から最後まで自分で仕事を完結させたい人
・自分の裁量で仕事が進めたい人
・マルチタスクが得意で、業務の幅や量が増えることが苦にならない人
・転勤せずに一つの場所で働き続けたい人
・将来的に起業や独立を目指している人
・早く幅広いスキルや知識を身につけて成長したい人


一方で、社会的ステータスが欲しい人や多くの収入を得たい人、ワークライフバランスを大切にしたい人は、従業員が多く規模の大きな会社が向いていると言えるでしょう。

また、従業員が少ない会社に転職する際には、次の点に注意することが大切です。

・企業風土や社風が自分の価値観と合っているか
・仕事の内容が自分がやりたいものと合っているか
・求められるスキルや知識がマッチしているか

従業員が少なく経営層との距離が近いだけに、企業風土や社風が自分の価値観に合っているかは特に重要です。価値観が大きく違っていれば、転職しても長く働くことは難しいかもしれません。

まとめ

経済産業省の調査では、従業員19人以下の企業は全体の88.1%もあります。従業員が多い大企業と従業員が少ない小規模の会社では、仕事の範囲や進め方、求められるスキルや知識が異なりますが、大企業と中小企業それぞれメリットとデメリットがあるので、しっかりと理解した上で応募する企業を選びましょう。

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