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2023.09.21

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企業が取り組むべき職場のメンタルヘルス対策とは?

BaseUpp

最近では、従業員に対するメンタルヘルスケアが企業を評価するひとつの指標になるほど重要視されています。従業員のパフォーマンスはメンタルヘルスの好不調によって大きく左右されるため、企業がメンタルヘルスケアに取り組むことは従業員が生き生きと働けるだけでなく、企業にとっても大きなメリットがあります。

メンタルヘルスとは?

ストレス社会と言われるほど、現在社会ではさまざまなストレスを抱えている人が多くいます。その結果として心の病気になる人が増え、メンタルヘルスの重要性が増しています。

メンタルヘルスの定義

「メンタルヘルス」は心の健康状態を示しています。世界保健機関(WHO)では、メンタルヘルスを「すべての個人が自らの可能性を認識し、生命の通常のストレスに対処し、生産的かつ効果的に働き、コミュニティに貢献することができる健全な状態」と定義しています。

また、厚生労働省はメンタルヘルスの大切な要素として具体的に、「情緒的健康」「知的健康」「社会的健康」「人間的健康」の4つをあげています。

情緒的健康 自分の感情に気づいて表現できること
知的健康 状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること
社会的健康 他人や社会と建設的でよい関係を築けること
人間的健康 人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること
参考:厚生労働省「休養・こころの健康」

メンタルヘルスが不調になる要因

メンタルヘルスの不調は、さまざま要因がストレスとなって引き起こされます。例えば、職場においては、「業務量の増大」「業務内容に高い水準や責任を求められる」「長時間労働」「昇進や昇格・異動などによる役割や地位の変化」「職場の人間関係のトラブル」などがあげられます。

また、職場以外においても「家庭や人間関係などのトラブル」「自身や家族の健康」「金銭問題」「生活の変化」などがストレスの要因となります。

しかし、このような要因は誰にとってもストレスを引き起こすきっかけになるとは限りません。同じ環境であってもストレスを全く感じない人もいれば、大きなストレスとなる場合もあります。職場でのストレスが軽度でも、性格やストレス耐性、プライベートな事情が影響してストレスを強く感じる可能性があります。

主な心の病気の種類と症状

メンタルヘルスの不調に起因する主な心の病気と症状を紹介します。

①うつ病
うつ病は、日本人の約15人に1人がかかるというありふれた病気です。始めのうちの症状は、心の不調ではなく身体の不調や行動の問題として現れることがほとんどです。食欲不振や不眠、体がだるい、頭痛、めまい、吐き気といった身体の症状の他、ひきこもりやリストカットなどの行動として表現されることもあります。

②不安障害
不安障害は精神的な不安から、こころと身体にさまざまな不快な変化が起きる病気です。不安障害は症状によりいくつかに分類されますが、代表的なものとして「パニック障害」「社会不安障害」「全般性不安障害」「強迫性障害」などがあります。

③統合失調症
統合失調症は、考えや心がまとまらなくなる状態が続く病気です。そのため行動や気分、人間関係などにさまざまな影響が出ます。主な症状には「幻覚」「妄想」がありますが、それ以外にも「抑うつ」「無気力」「ひきこもり」などの症状が現れます。

メンタルヘルスケアを積極的に推進する企業側のメリット

従業員のメンタルヘルスが不調になると、生産性が低下したりミスや事故が発生するなどのリスクが大きくなります。そのため企業がメンタルヘルスケアに取り組むことで、さまざまメリットが得られます。

メンタルヘルスケアは法的義務

精神障害を原因とする労災補償請求件数は平成21年には1,136件でしたが、令和3年には2,346件と年々増加しています。このように深刻化するメンタルヘルス問題に対処するため、平成26年に「労働安全衛生法」が改正され、ストレスチェックおよび面接指導の実施が義務づけられました。

この法律により、常時50人以上の従業員を使用する事業場では、医師や保健師などによる毎年1回、定期的に心理的な負担の程度を把握するためのストレスチェックを実施しなければなりません。

企業がメンタルヘルスケアを推進するメリット

法律では常時50人以上の従業員を使用する事業所にストレスチェックを義務づけていますが、50人未満の事業所でもメンタルヘルスケアを進める必要があります。メンタルヘルスケアケアを積極的に推進する企業は、次のようなメリットが得られます。

①業務の質や生産性の低下を防ぐ
従業員にメンタルヘルスの不調が生じると、集中力や判断力が低下して、普段通りの仕事ができなくなる他、周りの従業員の負荷を増大させる可能性があります。

メンタルヘルスケアの実施によって、従業員のメンタルヘルスの不調を早期に発見できれば、業務に影響を及ぼす前に対処することができます。

②リスクマネジメントにつながる
メンタルヘルスの不調は、仕事のミスやトラブル、事故につながるリスクを高めます。関係者に危害や不利益を及ぼしてしまった場合には、企業としての管理責任が問われて信用低下につながる恐れがあります。

また、企業は従業員に対して安全配慮義務を負っています。安全配慮義務の中にはメンタルケアへの配慮義務も含まれているため、従業員がメンタル不調になった場合には、企業の安全配慮義務違反を問われる可能性があります。

企業が取り組むべきメンタルヘルス対策3つ

企業がメンタルヘルスケアに取り組む際には、次の3つの対策を実施することが重要といわれています。

不調にならないための予防

まず大事なのは従業員がメンタルヘルスの不調にならないように、未然に防止することです。メンタルヘルスが不調にならないように、「ストレスの実態把握」「職場環境の改善」「コミュニケーションの改善」「ストレスの知識や対処法習得」などを行って、根本的なストレスの要因の解決を目指しましょう。

早期に発見し治療につなげる

次に大切なのは、メンタルヘルスが不調になった従業員を早期に発見して対処することです。メンタルヘルスの異変に最初に気づくのは本人です。そのため本人がメンタルヘルスの不調を感じた時に、気軽に相談できる窓口を設置することが重要です。

相談があった時には、必要に応じて産業医など外部の専門家と連携して適切な対応を行います。

不調により働けなくなった従業員のサポート

メンタルヘルスの不調によって休職した従業員に対しては、職場復帰できるまでサポートして、病気の再発や離職を防止することも重要です。

厚生労働省では、職場復帰支援の流れを5つのステップで行うのが望ましいとしています。

第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ

参考:厚生労働省「職場復帰支援の手引き」

職場におけるメンタルヘルスケア4つ

メンタルヘルスケアの対策は、「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」の4つのケアが継続的、計画的に行われることが重要とされています。

セルフケア

セルフケアとは従業員自身が行うメンタルヘルスケアです。具体的な取り組みとしては、ストレス関連研修の受講、ストレスチェック、個人レベルでできるストレスの対処などがあります。

ラインによるケア

ラインによるケアは、管理職の従業員(上司)が、部下のメンタルヘルスをケアすることです。職場環境等の把握と改善、従業員からの相談対応、職場復帰における支援などを実施します。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア

従業員自身や上司によるケアだけでは専門的な知識が不足して、ケアが行き届かないことも考えられます。そのため、産業保健スタッフ(産業医や保健師、人事労務管理担当者、メンタルヘルス推進担当者など)の協力も重要になります。

事業場外資源によるケア

メンタルヘルスケアの専門知識を持つ外部の専門家や専門機関とも連携して取り組みましょう。企業内の人的資源には限りがありますので、外部のさまざまなサービスを上手く活用することが大切です。

参考:厚生労働省「職場における心の健康づくり」

まとめ

厚生労働省の資料によると、過去1年間にメンタルヘルスの不調により1ヶ月以上求職した従業員や退職者がいた事業所の割合は13.3%でした。一方で、メンタルヘルス対策に取り組んでいる企業の割合は63.4%とメンタルヘルスケア対策を実施していない企業は少なくありません。

従業員のメンタルヘルス不調が原因で生産性が落ちたりミスや事故が増えれば、企業にとっては大きな損失です。メンタルヘルス対策では、職場環境の改善を実施してストレスの原因を解決することも重要なポイントです。

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