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2022.11.18

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離職率を下げるには?取り組むべき5つの対策

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少子高齢化社会によって労働人口の減少を続ける現在において、どの企業も人手不足が深刻な経営課題となっています。

人手不足の解消には、採用活動を強化するのと併せて、離職率を下げて従業員の定着を図ることが重要です。本記事では、離職率を下げるための対策について解説します。

離職率とは?

「離職率」とは、ある時点で勤めていた従業員が、一定期間にどのくらい退職したかを示す比率です。この「離職率」の数値が高ければ、従業員が定着しにくく、人の入れ替わりが多い職場といえます。
反対に低ければ、働きやすく従業員が定着している職場と判断できます。

離職率の計算方法

「離職率」の定義や計算方法は、法律で定められているわけではありませんが、厚生労働省では次のように示しています。

離職率=離職者数÷1月1日現在の常用労働者数 (年齢階級別は6月末日現在の常用労働者数)×100%

また、離職者とは常用労働者のうち、調査の対象期間中に退職したり解雇された者を指します。

離職率の状況

厚生労働省が公表している「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、最近の離職率は以下のようなデータとなっていて、およそ14%の労働者が何らかの理由で離職しているということがわかります。

■常用労働者の動き(離職率)

産業別の離職率をみると、離職率が高いのは「宿泊業・飲食サービス業」「教育・学習支援業」「生活関連サービス業・娯楽業」などとなっています。

■常用労働者の動き(離職率)

参考:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」

離職率が高いことによるリスク(影響)

求職者の中には「離職率が低い=働きやすい企業」、「離職率が高い=待遇や職場環境に問題がある企業」というイメージを持つ方も少なくありません。このようなイメージは、採用活動に大きな影響を与えますが、離職率の高さは他にもさまざまなリスクの原因となります。

採用コストの増加

離職者が出るとほとんどの場合、企業は代わりとなる人材を採用する必要があります。人材採用には、求人広告掲載料や人材紹介会社への報酬などの外部コストの他に、採用担当者の人件費などの内部コストが発生します。

リクルートの就職みらい研究所が公表した「就職白書2020」によると、2019年度の新卒採用1人あたり平均採用コストは93.6万円、中途採用で103.3万円となっています。この数値は2018年よりいずれも増加していて、今後も増えることが予想されます。
参考:リクルート就職みらい研究所「就職白書2020」

育成コストが無駄になる

新卒や第二新卒で採用した社員は、戦力として会社に貢献できるまでに、教育や研修などを実施して育成しなければなりません。この人材育成にもコストが発生します。そのため社員が離職すると、育成コストも無駄になってしまいます。

引継ぎの負担

離職者が出ると、仕事の引継ぎを行わなければなりません。通常は、離職する1か月前までには退職届を提出すると、就業規則に定められている企業がほとんどですが、1か月で引継ぎを行うのは難しく、同じ職場の同僚には大きな負担となります。

また、離職によって人員不足となった部署では、他の従業員が長時間労働でカバーになければならない事態に陥ることも考えられます。

企業イメージの低下

離職率の高さは、企業イメージの低下につながる可能性があります。近年は、インターネットによって、簡単に企業の評判や口コミを検索できます。企業イメージの低下は、採用活動を難しくするだけでなく、社員のモチベーション低下につながります。

従業員が離職する原因

厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、転職者のうち次のような理由で前職を辞めた人が多いという結果になっていました。

■転職者が前職を辞めた理由


職場の人間関係

上司や先輩といった職場の人との関係が、離職の原因となるケースは少なくありません。職場の人間関係が離職の原因となる例としては、上司のハラスメントや、上司や先輩社員への不満、他の社員への不信感やねたみなどがあげられます。

合わない人と一緒に仕事するのは、精神的に大きなストレスとなります。ストレスを感じながら仕事を続けると、うつ病など精神疾患や体調不良となることもあるため注意が必要です。

労働条件が良くない

「残業や休日出勤が多い」「有給休暇が取れない」など、労働条件も離職の原因となります。ブラック企業という言葉がありますが、一般的には長時間労働やサービス残業を課しているというのがブラック企業の特徴としてあげられます。

近年、政府は仕事と生活の調和を意味する「ワークライフバランス」の実現を推進しています。ブラック企業とは言えなくても、同業他社より残業が多かったり、休みを取得しにくい雰囲気がある場合には、離職の原因となる可能性が高いでしょう。

給料が少ない

「給与が相場の平均より低い」や「実績を上げても給与に反映されない」ような場合、従業員は不満を感じモチベーションも上がりません。他に良い条件の求人があれば、転職を考えるでしょう。給与だけでなく賞与や手当、福利厚生などが充実していない場合にも離職につながります。

会社の将来が不安

我が国の企業を取り巻く経営環境は急速に変化しています。企業が持続的に成長を続けるには、この変化に迅速に対応する必要があります。

しかし、今までのやりかたを変えることができない企業は、会社の成長が見込めず、給与のアップも期待できません。そのような企業の従業員の中には、将来に不安を感じて転職を考える人もいるでしょう。

離職率を下げるための改善施策

従業員の離職を防止して、離職率を低下させるためには、次にあげる改善策が効果的です。

①退職理由を確認する

従業員の離職を防ぐための対策を講じるには、まず従業員がなぜ退職するのか理由を把握することが大切です。なかなか本音を聞き出すのは難しいかもしれませんが、退職後であれば話してくれる可能性があります。

②コミュケーションの改善

コミュニケーションは、離職を防ぐために最も重要です。早い段階で、悩みや不満を聞くことができれば、対応できる可能性があるからです。

上司や先輩としっかりコミュニケーションが取れることが理想ですが、上司に十分なマネジメントスキルが身についていないケースもあります。コーチング研修などを実施して、管理職のマネジメントスキルを向上させましょう。

また、どうしても上司や先輩に相談しにくい雰囲気がある時には、社内や社外に相談窓口を設置する方法もあります。

③働きやすい環境を整える

残業や休日出勤によって長時間労働が常態化していたり、有給休暇が取りにくい雰囲気がある場合には、すぐに環境を改善しましょう。時短勤務やテレワークなど、従業員個々の事情に応じて多様で柔軟な働き方ができるように、ワークライフバランスに対応することが大切です。

④評価制度を見直す

給与や待遇などの労働条件も、従業員が離職する理由のため見直すことが必要です。しかし、給与を大幅に上げたり、やみくもに手当を増やすのは現実的ではありません。

効果的な方法としては、「頑張って実績を上げれば正当に評価される」と感じられるような評価制度や報酬制度を整備することです。成果が適正に報酬に反映されれば、従業員の満足度は向上するでしょう。

⑤福利厚生を充実させる

すぐに給与や賞与を見直すことが難しいのであれば、まずは福利厚生を充実させるのも離職防止に効果があります。一度に給与を増やすとなると企業の負担が大きくなりますが、福利厚生費は非課税対象のため、企業の負担は比較的小さくなります。

どのように福利厚生を充実させたらいいかわからない場合には、福利厚生代行サービスを利用する方法もあります。

まとめ

離職率を下げて従業員の定着を図ることは、全ての企業に共通する経営課題です。従業員が離職する理由は人それぞれ異なりますが、まずは原因を把握して対策を検討することが大切です。

退職を切り出されてからでは、引き止めるのは難しくなります。日頃から社内のコミュニケーションを活性化して、悩みや不満が言いやすい環境を整備しましょう。

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