人事/経営

2022.09.09

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2022年最低賃金30~33円引き上げ。最低賃金の引き上げは企業にどう影響する?

BaseUpp

毎年10月に見直されている「最低賃金」。今年も10月から最低賃金が引き上げられる見込みです。2022年の引き上げ額は過去最高で、新型コロナ感染症の流行拡大や急激な円安などの影響を受けて、業績が厳しい企業には大きな影響があると予想されます。

本記事では、最低賃金の引き上げが企業に与える影響と、最低賃金引き上げに対応するための方法について詳しく解説します。

最低賃金制度とは

最低賃金制度とは、使用者は雇用している労働者に対して「最低賃金法」という法律に基づいて定められた「最低賃金(賃金の下限額」以上に支払わなければならないという制度です。

「地域最低賃金」と「特定産業別最低賃金」

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定産業別最低賃金」の2つの種類があります。

●地域別最低賃金
「地域別最低賃金」は、産業や職種に関係なく、それぞれの都道府県の中で働く全ての労働者に適用される最低賃金です。地域別最低賃金は、各都道府県で設定されていて、基本的に毎年改定が行われます。
地域別最低賃金の金額は、都道府県労働局の局長が最低賃金の引き上げが必要だと認めた場合に、「地方最低賃金審議会」に諮問して、審議会の意見を尊重したうえで引き上げを決定します。

●地域別最低賃金
「特定産業別最低賃金」は、特定の産業に設定されている最低賃金です。特定の産業に設定されている最低賃金です。関係する産業の労使が、地域最低賃金より高い水準の最低賃金を定める必要があると認めた場合に設定されます。

最低賃金が守られなかった時の措置

例え使用者と労働者の双方が合意して、最低賃金より低い労働契約を結んだとしても、「最低賃金法」によって無効とされ、最低賃金と同額の定めをしたものとされます。そのため、最低賃金を下回る賃金しか支払われなかった場合、使用者は最低賃金との差額を支払う義務があります。

また、地域別最低賃金以上の賃金を支払わない場合には、最低賃金法によって50万円以下の罰金が定められています。特定産業別最低賃金以上の賃金を支払わない場合には、労働基準法により30万円以下の罰金が課せられます。

最低賃金は平均31円引き上げ。東京・神奈川に次いで大阪も1000円超え

厚生労働省の中央最低賃金審議会は、2022年10月から過去最大となる31円の最低賃金の引き上げの答申を決定しました。引上げ率は3.3%(前年度3.1%)です。各都道府県は経済の実態に応じてA~Dの4ランクに分かれていて、AランクとBランクは31円、CランクとDランクは30円となっています。

この答申をもとに各都道府県の最低賃金審議会では、地域の賃金の実態、調査や参考人の意見などを踏まえて審議の上で答申を行い、都道府県の労働局長が地域別最低賃金額を決定します。

各都道府県に適用される目安のランクは次の表の通りです。

ランク 都道府県
Aランク 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
Bランク 茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
Cランク 北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
Dランク 青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
これをもとに最低賃金が引き上げられた場合、東京都が1072円、神奈川県が1071円となる見通しで、大阪府も1023円と最低賃金が1000円を超えることになります。

最低賃金引き上げに伴う弊害は?

最低賃金の引き上げは、企業の経営にとって大きな影響があります。

人件費の増加

従業員に支払う賃金が引き上げられると、人件費が増大して会社の利益を圧迫します。例えば、現状で最低賃金ギリギリで、パートやアルバイトなど非正規社員を多く雇っている会社は、人件費の増加により経営が苦しくなる可能性があります。

従業員の確保が難しくなる

また、人件費が膨らんで負担が大きくなることで、新たに従業員を雇い入れるための採用コストの投入が難しくなり、人手不足に陥ることも考えられます。さらに周囲の会社も従業員の賃金を一斉に上げるため、最低賃金までの賃金の引き上げでは、求人募集をしても応募が集まらないことも予想されます。

正社員のモチベーション低下

パート社員やアルバイトなど非正規労働者の最低賃金が引き上げられ人件費が増加することで、正社員の昇給を抑えなければならない会社もあるでしょう。また、人件費を抑えるために非正規労働者の労働時間を削れば、そのしわ寄せは正社員の負担となります。昇給が期待できない、業務の負担が増える状況では正社員のモチベーションが下がって、生産性が低下する可能性があります。

企業が行うべき最低賃金引き上げに向けた対応

前章で紹介した通り、最低賃金の引き上げは企業経営に大きな影響を及ぼします。しかし、引き上げなければ罰金や企業イメージの低下など、さまざまなデメリットが発生します。最低賃金は基本的に毎年見直されるため、引き上げを逆に経営のプラスにするような対応が必要となります。

生産性の見直し

最低賃金の引き上げによる人件費の増加は、生産性の見直しのきっかけになります。生産性の向上は、コスト削減だけでなく、従業員満足度の向上や顧客満足度の向上といったメリットがあります。生産性を向上させる主な方法は次の通りです。

①業務プロセスの見直し
②DX(デジタルトランスフォーメーション)化による業務効率の改善
③適切な人員配置
④アウトソーシングの活用
⑤従業員のスキルアップ
⑥従業員のモチベーションアップ

中でも特に重要になるのが「業務プロセスの見直し」です。業務プロセスの見直しの進め方については、「業務における問題点やムダを整理する」→「改善策を検討する」→「標準化・マニュアル化する」の流れで行いましょう。

人件費以外の経費の見直し

従業員の賃金を上げることで人件費の増加が避けられない状況であれば、人件費以外の経費について見直さなければなりません。経費削減と言うと、マイナスのイメージを持つ方も多いかもしれませんが、普段なら気づかなかった部分に気づくきっかけになります。

改めて経費の内容を精査すると、業務内容を見直してみたり、契約業者や仕入先を変えることでコストを下げられるケースは少なくありません。

採用コストの見直し

経費削減と合わせて採用コストについても見直してみましょう。採用コストは、外部コストと内部コストの2種類に分けられます。

●外部コスト:
求人広告掲載費、合同企業説明会の参加費、会社説明会などの会場費、人材紹介会社への紹介料、会社案内の制作費、適性検査の費用など

●内部コスト:
採用担当者や面接官の人件費、面接の交通費や宿泊費、リファラル採用(社内紹介)の紹介料など


採用コストを削減するには、まず求人広告媒体を見直してみましょう。

求人媒体はそれぞれ特徴が異なり、強みがあるため自社の採用ニーズに合った媒体を選ぶことが大切です。求人媒体の料金プランは、「掲載課金型」と「成功報酬型」の2つに分けられます。掲載課金型は、求人広告を掲載することで料金が発生するプランです。成功報酬型は、求人掲載は無料で、成果に応じて料金が発生するプランです。

成功報酬型の求人広告は、初期費用や掲載料がかからず、無料で求人の掲載をスタートできるのが特徴です。成功報酬型は、さらに成果の種類によって「応募課金」「採用課金」「クリック課金」に分けられます。

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まとめ

2022年10月に最低賃金が引き上げられる見込みです。今回の引き上げ額は過去最高で、企業の経営に大きな影響があると予想されます。人件費の増加が避けられない状況で、人件費以外の経費の見直しや生産性の向上などの対応が必要となります。

経費削減では、採用コストを見直すことも重要です。自社の採用ニーズにマッチした求人媒体を利用するなど、効率的に採用経費を削減しましょう。なお、採用コストの削減には、早期離職につながる採用のミスマッチを防ぐことも重要です。

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