コラム

2022.03.23

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【求人票の作成ルール】NGワード・禁止表現

BaseUpp

求人票を作成する際には、記載しなければならない項目が「職業安定法」によって定められています。一方で、記載してはならないNGワードや禁止された表現もあります。採用担当者は求人票を作成する前に、これらの法律について理解しておく必要があります。

1.求人票で注意すべき法定規制とは?

社員を募集するために求人を出す場合には、遵守しなければならないさまざまな法律があります。採用担当者は、求人票を記載する前に法律の内容について理解しておくことが必要です。

労働基準法

「労働基準法」は、労働契約や賃金、労働時間、時間外労働、休日といった労働条件について最低基準を定めた法律です。労働基準法は、正社員や契約社員、アルバイト、パートタイムなど働き方に関わらず全ての労働者に適用されます。

職業安定法

「職業安定法」は、職業紹介や社員の募集、労働者の供給などについて規程された法律です。求職者が安心して、就職や転職できるように、労働者の募集や求人の際に、最低限明示しなければならない事項が定められています。

最低賃金法

「最低賃金法」は、労働者に対して使用者が支払う賃金の最低額を定めた法律です。最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があり、地域別最低賃金は各都道府県ごとに定められています。
「特定最低賃金」は、特定の産業について定めた最低賃金です。もし、使用者と労働者双方が合意して、最低賃金を下回る低い賃金を定めたとしても法律により無効とされます。

男女雇用機会均等法

「男女雇用機会均等法」は、職場での男女の差別を禁止して、平等に扱うことを扱うことを定めた法律です。募集や採用、配置、昇進などについて性別の違いによる差別的な扱いをしてはいけないと定められています。

改正雇用対策法

平成19年に施行された改正雇用対策法には、募集や採用における年齢制限の禁止や青少年の応募機会の拡大などが定められています。

2.求人票に記載してはいけない禁止表現

では、求人票に記載する際には、どのような表現が法律違反となるのでしょうか。具体的に紹介します。

性別を限定する表現

「男女雇用機会均等法」の第5条には「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」とあり、募集や採用においてどちらか一方の性別を優遇するなどの差別が禁止されています。具体的には、以下のような表現は法律違反となります。

・事務職は女性のみ、営業職は男性のみ募集する。 ・女性に対してだけ未婚であることや子どもがいないことなどの応募条件を付ける。
・業務に必要ないのに一定の身長や体重、体力があることを要件とする。
・業務上必要ないのに、全国転勤に応じられることを要件とする。
・営業マンやウエイター、看護婦など男女のいずれかを表す名称で募集職種を表示すること。
・女性向きの職種などの表現。

また、男女いずれかを採用する方針で、写真やイラストで一方の性別に偏った職場を強調するなどの表現も禁止されています。

ただし、業務の遂行上、どちらか一方の性でなければならない職務などの場合には法律違反となりません。

参考:厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」



年齢を制限する表現

平成19年に改正された「雇用対策法」によって、募集の際に年齢制限を設けることは原則禁止されています。年齢制限の禁止は、ハローワークや民間の人材紹介サービスで求人する場合や、求人広告などで募集する場合も含めて広く募集や採用に適用されます。ただし、次のようなケースは例外が認められています。

・定年の年齢を上限として、上限年齢未満の労働者を期間の定めがない労働者として募集する場合
・18歳未満は働いてはいけない職種など、労働基準法やその他の法律で年齢制限が設けられている場合
・長期勤続でのキャリア形成を図る観点で、若年者を期間の定めのない労働者として募集する場合
・技能やノウハウの継承のため、労働者が少ない特定の年齢層に限定して、期間の定めのない労働者として募集する場合
・芸術や芸能の分野で、表現の真実性などが要請される場合
・60歳以上の高年齢者、特定の年齢層の雇用を促進する国の施策の対象者に限定して募 集する場合

参考:厚生労働省「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」



就職差別につながるおそれがある表現

厚生労働省では、就職機会の平等を目的に「採用選考時に配慮すべき事項」を定めています。その中で「本人に責任のない事項の把握」や「本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握」は、就職差別につながるおそれがあるとされているので、求人票を記載する際には注意が必要です。

●本人に責任のない事項の把握
本籍、出生地に関すること、家族に関すること、住宅状況に関すること、生活環境や家庭環境に関すること

●本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)
宗教に関すること、支持政党に関すること、人生観や生活信条に関すること、尊敬する人物に関すること、思想に関すること、労働組合や学生運動など社会運動に関すること、購読している新聞や雑誌、愛読書などに関すること

参考:厚生労働省「公正な採用選考をめざして」



虚偽または誇大な表現

「職業安定法」では、労働者の募集や求人を行う際には、以下の項目について明示しなければならないと定められています。また明示する条件は、虚偽または誇大な内容としてはいけないとされています。

・業務内容
・契約期間
・就業場所
・就業時間
・休憩時間
・休日
・時間外労働
・賃金
・加入保険
・募集者の氏名または名称


厚生労働省では、ハローワークに提出された求人票の記載内容と実際の労働条件が異なると申し出があった件数を公表しています。
令和2年の件数は4,211件で、申出の内容は賃金に関することが一番多く1,114件(27%)、次いで就業時間に関することが764件(18%)、職種・仕事の内容に関することが745件(18%)でした。申出があった場合には、担当のハローワークが事実確認を行って、企業に対して是正指導が行われます。

参考:厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ」

3.禁止表現を記載するとどうなる?

求人票は、自社が求人を行う際の一般的な労働条件について、求職者に対して案内するための書類のため、誤った内容を記載してしまった場合でも、基本的には罰則などの条文はありません。しかし、求人票に故意に虚偽の内容を記載した場合には、職業安定法(第65条8号)により6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑に科せられる可能性があります。

また、近年ではインターネットの普及によって、SNSや口コミサイトなどで一気に情報が広がります。求人票と実際の労働条件が明らかに違う場合には、応募者がその事実を書き込んで拡散される可能性があります。もし、そのような事態になった場合には、「ブラック企業」のイメージを持たれてしまい今後の採用活動に大きな影響を及ぼします。

したがって、求人票には虚偽や誇大な表現をしないのはもちろんですが、応募者の誤解を招くような曖昧な内容を書くことを避け、より具体的に記載することが重要です。故意ではなくとも、万が一間違った情報を求人票に記載してしまった場合には、すぐに応募者にその事実を伝えて応募者の意向を確認しましょう。

まとめ

応募者がなかなか集まらないからといって、実際より良く見せようと虚偽の内容を求人票に記載することは法律違反になります。また、そのような求人票によって採用しても、入社後にトラブルとなり、結局は早期退職となる可能性があります。ご紹介した通り求人票には、記載しなければならない項目と記載してはいけない表現があります。大切なことは、必要な内容について正しくわかりやすく書くことです。

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