人事/経営

2021.09.07

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【コロナ禍の対応】ワクチン休暇は導入すべき?

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防策として、ワクチンの接種が進められています。このワクチンは効果が認められていますが、特に接種した翌日に発熱や倦怠感、頭痛などの副反応が現れることがあります。
そのため政府は経済界に対してワクチン休暇を普及させるよう呼びかけています。

有給?無給?ワクチン休暇とは

そもそもワクチン休暇とは、労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチンを安心して接種できるように、また接種後に副反応が出た場合に療養のために取得できる休暇制度のことです。
厚生労働省では「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」にワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱いを追記してワクチン休暇について説明しています。

Q&Aでは、ワクチンの接種後に副反応が出た時に活用できる休暇制度の新設、すでに設けられている病気休暇や失効年休積立制度(年次有給休暇を積み立てて、病気で療養する場合などのケースで使えるようにする制度)を活用できるよう見直すことなど検討するように呼びかけています。

ワクチン休暇制度を導入した企業は、まだ多くはありませんが、ワクチン接種日とその翌日~翌々日をワクチン休暇として、特別休暇扱いとする企業が多いようです。特別休暇とは、法律によって義務付けられている休暇ではないため、福利厚生として設定される休暇です。そのため特別休暇を導入するかどうかは各企業の判断に任せられます。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」

導入にあたってのメリット・デメリット

ワクチン休暇を導入するメリットとデメリットとしては、次の点が考えられます。

■メリット
ワクチン休暇を導入することで、ワクチン接種後に副反応が起こって体調不良になったとしても、社員は安心して療養することができます。
現在、日本で接種が進められている新型コロナウイルス感染症のワクチンは、接種後に体内に新型コロナウイルスに対する免疫ができる過程で副反応が起こる可能性があります。

多くの場合は、発熱や倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛みなどで、接種翌日から数日間続きます。この副反応に対する不安のためワクチン接種をためらう社員がいることも予想されます。
また仕事が忙しくて有給休暇を取得してまでワクチン接種を行う気持ちになれない社員もいるかもしれません。ワクチン休暇を導入することは、社員がワクチン接種に踏み切るきっかけとなります。

もし企業内でクラスターが発生すると、多くの社員が休まなければならなくなり、企業にとって業務に大きな影響があります。
ワクチン休暇を導入して、社員がワクチン接種を受けることで、クラスター発生のリスクを避けることができます。

■デメリット
ワクチン休暇を新たな制度として導入する場合、自社の休暇制度の洗い出しや制度の内容の検討、整備に手間や時間が必要です。
特に中小企業など対応できる人員が限られているケースでは、大きな負担となります。
なお、東京都では新型コロナウイルスワクチン接種に係る特別休暇の整備に取り組む中小企業に専門家を派遣する支援を行っています。

参考:東京都「ワクチン接種特別休暇制度等の整備に専門家を派遣」

導入手順と気を付けたいこと

ワクチン休暇を導入する手順とポイントを紹介します。参考にしてください。

■ワクチン休暇の扱いを決める
ワクチン休暇を導入する際には、休暇の扱いをどうするかを決める必要があります。考えられる対応としては「特別休暇」「有給休暇」「無給休暇」です。

特別休暇は、法律の定めのない法定外休暇なため、有給にするか無給にするかなど、内容については企業が独自に設定できます。しかし、スムーズに社員のワクチン接種を進めていくためには有給にする方がトラブルが少ないでしょう。

有給休暇は、本来一定期間働いた社員に対して、心身の疲労をリフレッシュさせゆとりある生活を過ごせことを目的に与えられる休暇です。
ワクチン接種は、社員本人の健康や安全を守るためためとは言え、本来は自由に取得できる休暇をワクチン接種のために使用させることは、社員をしっかり納得なせなければ不満となる可能性があります。

無給休暇の場合には、休んだ日は欠勤扱いとなって給与が支払われません。無給休暇扱いで社員にワクチンの接種を勧めても、給与が減るのであれば受けないと不満が出ることが予想されます。
無給休暇とする場合は、別途手当を支給するなど社員が不利益にならないように考える必要があります。

■休暇の申請方法を決める
ワクチン休暇の扱いが決まれば、次に申請方法を検討しましょう。社員がいつ休暇取得予定か、いつ休暇を取得したのか把握できるようにします。
ただし、ワクチン接種は義務ではありません、接種しない社員が差別など不当な扱いを受けないように配慮することも必要です。

まとめ

現在、新型コロナウイルス感染症の感染予防や重症化を避けるためには、ワクチン接種が最も有効と考えられています。
社員の健康や安全を守るためにも、企業は社員が安心してワクチンを接種できる環境を整えることが必要です。社員のワクチン接種を広げるためにワクチン休暇の導入を検討しましょう。

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