人事/経営

2021.08.20

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福利厚生を見直して応募率アップを目指す方法

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就職・転職活動をしている人は、職種や勤務地、収入、社風などさまざまな条件を比較検討して応募する企業を選びます。
その中でも、最近注目されているのが福利厚生です。
福利厚生を充実させて他社との差別化を図ることは、採用活動において応募率をアップさせるなどのさまざまなメリットがあります。

福利厚生導入のメリット

そもそも福利厚生とは、企業が従業員に対して給与や賞与以外に提供するサービスのことです。
詳しくは次の章で説明しますが、福利厚生には法律により定められた「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」があります。
福利厚生を導入するメリットを考える際には、通常は法定外福利厚生の導入を指します。福利厚生導入には、さまざまなメリットがありますが、その中で代表的なものは次の3つです。

従業員満足度アップ
各種手当や休暇制度など福利厚生を充実させることで、経済的保障を手厚くしたり、働きやすい環境を整えることで、企業に対する従業員の満足度が上がります。
満足度が上がることで、従業員の働く意欲も向上します。
また、働きやすい環境を整えることによって、業務効率がアップして生産性の向上が期待できます。

企業イメージの向上
福利厚生が充実した企業は、「働きやすい環境に配慮して従業員を大切にしている」というアピールにつながります。
また、福利厚生を充実させるだけの安定した経営基盤があるという証明にもなります。

優秀な人材の確保と定着率向上
福利厚生は、従業員の生活や待遇に深く関わるため、新卒・中途採用とも求職者のほとんどが、応募企業を決める際に重視しています。
採用活動においては、自社の働きやすさや待遇面をアピールすることで、他社との差別化を図ることができます。
また、従業員のニーズにマッチした福利厚生を導入することで、従業員の満足度があがり定着率向上につながります。

福利厚生は全部で16種類

福利厚生は、法律で定められている「法定福利厚生」と、企業が独自に設定する「法定外福利厚生」とがあります。さらに「法定福利厚生」は6種類、「法定外福利厚生」は10種類に分類されます。

6種類の法定福利厚生
1.健康保険
健康保険は、従業員が病気やケガをした際に、その治療費の一部を国が負担する保険制度です。保険料は、事業主と従業員とで折半です。

2.介護保険
介護保険は、介護が必要と認定された際に、いつでもサービスが受けられる制度です。40歳になると介護保険への加入が義務付けられ、健康保険料と一緒に徴収されます。保険料は、事業主と従業員とで折半です。

3.厚生年金保険
厚生年金は、主に老後の所得補償の役割を持った保険です。年金受給時には、国民年金に上乗せして支給されます。保険料は、事業主と従業員とで折半です。

4.雇用保険
雇用保険は、労働者が失業して収入が不安定になった際に、一定期間失業給付を受けられる保険制度です。保険料が、事業主が6割程度負担します。

5.労災保険
労災保険は、仕事上でケガや病気をした時、通勤中にケガをした時に使われる保険制度です。保険料の全額を事業主が負担します。

6.子ども・子育て拠出金
子ども・子育て拠出金は、児童手当や子育て支援事業、仕事と子育ての両立支援事業などに充てられている税金で、事業主が全額納めなければなりません。

10種類の法定外福利厚生
1.通勤・住宅関連
通勤関係には、通勤にかかる交通費の全額または一部を企業が負担する通勤手当が該当します。住宅関連では、住宅手当の支給や社宅や独身寮、転勤に伴う引っ越しの費用負担などがあります。

2.健康・医療関連
健康診断や人間ドックの費用を企業が負担するのも福利厚生です。また2015年に改正された労働安全衛生法では、50名以上の事業所にはストレスチェックが義務付けられました。この費用も企業が負担する福利厚生です。

3.育児・介護関連
少子高齢化やワークライフバランスの推進の意味からも、育児や介護関係の福利厚生は注目されています。2021年6月には「育児・介護休業法」が改正されましたが、働き方改革のため独自に拡充した制度を設けている企業もあります。

4.体育・レクリエーション関連
体育・レクリエーション関連の福利厚生で、代表的なものには社員旅行があります。運動会や野球大会、ボーリング大会を企業が主催するケースもあります。

5.慶弔・災害関連
従業員の結婚や出産の際のお祝い金や、従業員の親族に不幸があった時の慶弔金や見舞金なども福利厚生の一環です。

6.財産形成関連
従業員持株制度や財形貯蓄制度なども福利厚生です。社員持株制度とは、自社の株式を従業員が購入・保有できる制度で、従業員の長期的な資産形成となります。

7.職場環境関連
社員が働きやすい職場環境を整えることは、人材確保や社員の定着率向上につながります。職場環境関連の福利厚生の例としては、オフィスに社員食堂やカフェを設置するなどがあります。

8.業務関連
社員のニーズに合わせてスキルアップのための研修を実施したり、業務に関連する書籍の購入や業務に関連した資格取得の費用を会社が負担するのも福利厚生の1種です。

9.自己啓発関連
業務に直接関連がない、セミナーや講演会など自己啓発に対しても補助を行う企業があります。

10.休暇関連
法律で定められた以上の有給休暇やリフレッシュ休暇、女性の生理休暇など休暇を充実させるのも福利厚生です。

求職者に人気の福利厚生3選

マンパワーグループが、「会社の福利厚生として良いと思うもの」「実際にあった福利厚生でよかったと思うもの」についてアンケート調査を実施した結果では、次の3つの福利厚生が人気でした。


1.住宅手当・家賃補助
住宅手当・家賃補助は、「会社の福利厚生として良いと思うもの」では48.3%で1位、「実際にあった福利厚生でよかったと思うもの」では16.7%で2位という結果になっています。

2.食堂・昼食補助
食堂・昼食補助は、「会社の福利厚生として良いと思うもの」では33.93%で2位、「実際にあった福利厚生でよかったと思うもの」では17.17%で1位という結果になっています。

3.人間ドックなど法定外の健康診断
「会社の福利厚生として良いと思うもの」の3位は、33.3%で人間ドックなど法定外の健康診断でした。「実際にあった福利厚生でよかったと思うもの」でも5位になっています。

参考:マンパワーグループ調査データ

まとめ

福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類がありますが、自社で独自に設定できる法定外福利厚生を充実させることは、人材確保や社員の定着率向上、モチベーションアップなどさまざまなメリットが期待できます。
福利厚生を見直すときには、社員のニーズに合わせることが大切です。今回、一般的に人気の福利厚生を紹介しましたが、自社の社員が何を求めているのか確認しながら導入を進めましょう。

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