人事/経営

2021.06.29

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いまさら聞けない「働き方改革」とは?その目的や今後の取り組みについて

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2021年4月より、中小企業も含めて全面施行された働き方改革関連法。 一億総活躍社会実現に向けて労働環境を大きく見直すなか、テレワークの進展も相まりワークスタイルが激変しています。そもそも働き方改革とはどのようなことでしょうか。 ここでは、いまさら聞けない「働き方改革」の内容や企業での事例を解説します。

働き方改革とは?

働き方改革とは、女性やお年寄り、障害のある方など誰もが活躍できる「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」として推進する取り組みです。 これからますます進展する少子高齢化を背景に、労働力の確保と生産性向上を目的として、働き方改革関連法が施行されているのです。

知るべき具体的な働き方改革の内容

働き方改革関連法は、働き方を改革を実現するために改正した、労働基準法や労働安全衛生法、パータイム労働法、労働契約法など働き方に関連する法律で2021年4月に全面施行されています。 働き方改革関連法によってさまざまな改正がされていますが、働き方改革の最重要課題である「三本の柱」について解説します。

長時間労働の解消

テレワークの進展などにより長時間労働は是正されつつありますが、メンタルヘルスの不調や過労死など日本の労働環境では長時間労働が大きな社会問題となっていました。この長時間労働の解消を目的に、新たに時間外労働の上限規制や有給休暇の消化義務が課せられています。 時間外労働における従来の制度では、「特別条項」を労使で締結することで、実質、時間外労働の上限は青天井でしたが、今般の規制によって上限が定められました。

正規・非正規間の不合理な格差の解消

いわゆる正社員といわれる「正規雇用者」とパートタイマーや契約社員などの「非正規労働者」における不合理な格差は日本企業が抱える長年の問題で、非正規社員は正規社員のおよそ6割程度の賃金といわれています。 同一の労働をしていても、雇用形態の違いによって不合理な格差が生じることを是正するため、パートタイム労働法の施行により「同一労働同一賃金」が義務化されています。

柔軟な働き方の実現

少子高齢化による労働人口減少が深刻化するなか、や育児・介護の両立など労働者の多様な働き方ニーズの高まりから、限られた労働力で生産性の向上を図る必要が生じています。 このような労働環境を背景に、副業・兼業の解禁やフレックスタイムの清算期間の延長のほか、育児・介護休業法の改正などが行われています。また、昨今のテレワークの進展も、柔軟な働き方の実現に大きな影響を与えています。

参考にしたい働き方改革の企業での好事例

働き方改革の取り組みは、従業員の意識やモチベーションを高めるとともに、企業にとっても業務効率や従業員定着率の向上などプラスの影響を与えるものです。ここでは、働き方改革での好取り組み事例を紹介します。

トップのメッセージと写真を活用「ノー残業デー」ポスター(パシフィックコンサルタンツ株式会社)

同社では、社員の意識を劇的に変えるため、経営トップの写真に「帰れ」と大きな赤文字を入れたノー残業デーのポスターを制作しています。とてもユニークでインパクトのあるポスターで、社員の意識変革に極めて有効な取り組みです。

管理職全員と労働者代表が参加する「職場意識改善セミナー」等の開催(三洋化学工業株式会社)

同社では、管理職の意識を高めるため、管理職全員と労働代表者を対象に、「職場意識改善セミナー」「労使懇談会」「ワークショップ」なとを開催しています。長時間残業が当たり前の時代を経験した管理職の意識改革には、有効な施策です。

朝型勤務制度の取り組み(伊藤忠商事株式会社)

同社では、「社員の健康力増強により、一人当たりの生産性で他社を凌駕する」との健康経営方針の下、取り組みのひとつとして朝型勤務制度を取り入れています。
・20:00〜22:00までの勤務は「原則」禁止
・22:00〜5:00までの勤務は禁止
・5:00〜8:00に対するインセンティブ
朝型勤務は、ダラダラ残業の防止に大きな効果があるほか、朝の時間帯にフレッシュな環境で仕事に取り組めるというメリットもあります。 ここで紹介した取り組み事例のほかにも、豊富な働き方改革事例が(厚生労働省「働き方・休み方改善 取組事例集」)で紹介されていますので、ぜひご参考ください。

まとめ

働き方改革の取り組みによって、企業の存続や生産性向上だけではなく、従業員エンゲージメント向上も期待できます。 ただし、働き方改革の実現は、経営者と従業員の両者の意識改革を図ることが不可欠です。 働き方改革の対象は多岐に渡りますが、三本の柱である「長時間労働の解消」「正規・非正規間の不合理な格差の解消」「柔軟な働き方の実現」の取り組みが重点となります。 働き方改革の取り組みに向けて、まずは「働き方改革診断」を実施し、自社に必要な改革内容を見つけてみませんか?

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