1on1とは?1on1ミーティングの目的と効果、成功ポイントを解説
テレワーク進展によるコミュニケーション不足などを背景に、近年、重要性が増している1on1。しかし、導入した企業では「やり方は現場任せ」「部下が口を開かない」などにより、失敗に終わることも少なくありません。
ここでは、1on1の目的と背景、メリット・デメリット、進め方と成功ポイントについて解説します。
1on1の目的と知っておきたい背景
1on1とは、1週間毎など短期的なスパンで上司と部下の1対1で行うミーティングですが、1on1を有効に機能させるには、1on1の本質的な目的や背景を知っておく必要があります。
押さえておきたい1on1の目的
評価のための人事面談とは違い、部下の成長を促すことを目的としています。 上司は、部下の悩みや思いに寄り添い、自ら気づきを与えて行動を起こさせるよう、1on1を積み重ねて部下の成長を促進させることで、自走型の組織を目指すことができます。
知っておきたい1on1が注目される背景
1on1は、シリコンバレーでは当たり前の文化として根付いていますが、日本でもYahooを皮切りに、多くの企業が導入しています。 かつての日本は、飲みニケーションなどの非公式の場で、上司が部下の相談にのることが多くありましが、近年、価値観の変化などを背景に、このようなコミュニケーションの機会が減少しています。 加えて、テレワークの進展により、コミュニケーション不足が深刻化したことなどから、従業員のメンタル不調や離職増加など防ぐため、1on1は近年、より注目度が増しています。
1on1の知っておきたいメリット・デメリット
1on1を効果的に実施するには、メリット・デメリットを押さえたうえで導入することがポイントです。
1on1のメリット、もたらす効果
・部下を自らの考えで成長を促すことができる
・部下との信頼関係を深めることができる
・部下の悩みや離職の兆候などをタイムリーにキャッチできる
・部下の意欲を向上させることができる
1on1の押さえておくべきデメリット
・上司と部下の両方に負荷がかかる
・上司と部下の相性が悪いと成り立たない
・目的意識が共有されていないと無駄になる
・上司の面談方法によっては、部下の育成に繋がらない
1on1の方法・進め方と3つの成功ポイント
1on1を成功に導くには、成功ポイントを押さえることが肝要です。ここでは、1on1の進め方と成功に導く3つの成功ポイントを解説します。
1on1の方法・進め方
1on1は、単なる雑談ではなく、「事前の準備」「実施」「振り返り」「改善」の部下の育成サイクルを回していくことが重要です。 そのためには、1on1シートといった書式を作り、1on1のテーマを部下に申告してもらい、それに対する気づきや今後の行動計画などを毎回記録を取ることで、PDCAサイクルを回していきます。
1on1シートの記載事項例
- 前回までのテーマ・目標の進捗状況
- 今回相談したいこと
- 1on1での気付きと設定した目標
- 悩んでいること
- うまくいっていること
- フィードバックの内容
1on1を成功に導く3つのポイント
1on1を成功に導くには、「部下との信頼関係」「PDCAサイクル」「上司のコーチングスキル」の3つがポイントになります。
・部下との信頼関係
部下との信頼関係がない状態で1on1を始めても、部下は上司に本音を語ることはありません。
部下との信頼関係を築けていない場合は、まず、1on1で信頼関係を築くことに重点をおいてください。そのためには、部下自身を良く知り、ときには上司自身の体験談を語るなど信頼関係を築きましょう。
・PDCAサイクル
1on1を短いスパンで継続的に行うには、スケジュールの決め方もポイントになります。
都合が悪いなどでキャンセルをすることが続いてしまうと、重要性も薄らいでしまい1on1が形骸化してしまいます。「毎週〇曜日の〇時」というように、定型的なスケジューリングを行い、都合が悪い場合はキャンセルではなく、リスケジュールをするよう心がけてください。
・上司のコーチングスキル
1on1は、上司が部下の悩みを引き出し、部下自身が解決していくよう育成することで、自走型の組織を目指すことが目的です。そのためには、上司は指示主体の「ティーチング」ではなく、積極的傾聴による「コーチング」によるコミュニケーションが求められます。
「積極的傾聴により、部下主体を心がける」「否定から入らず、共感する」「部下が行き詰ったら、指示ではなく選択肢を与える」など、コーチングによって部下に主体性を持たせてください。
まとめ
上司・部下の関係性が変化している中で、1on1は部下の成長や、能力を伸ばしてくための手段の1つです。初めは慣れず、難しいこともあると思いますが、続けることが大切です。
短期的には効果が見えずらい部分もありますが、長期的に見れば、上司と部下の両方にとって良いものなるでしょう。
今回ご紹介した1on1は社内改革の1つです。現在、働き方改革が注目されている中で何から取り組むべきか分からないということもあるでしょう。
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