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2023.04.11

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【物流2024年問題】を乗り切るためのドライバー求人作成ポイント

BaseUpp

オンラインショップなどの増加により、物流業界の需要が高まっています。その一方で、物流業界の人材不足は深刻な状況で、特にドライバーの確保に各事業者は頭を悩ませています。中でも大きな課題となっているのが「2024年問題」です。

本記事では、物流の2024年問題の概要とドライバーの採用状況、ドライバー求人の作成のポイントなどについて詳しく解説します。

物流の2024年問題とは?

国土交通省自動車局貨物課が公表した「トラック運送業の現状と課題について」によると、トラックドライバーの年間労働時間は、全産業と比べると約2割長くなっていて、長時間労働の慢性化が物流業界の課題となっています。

物流の2024年問題とは、働き方改革関連法によって2024年4月1日以降は、自動車運転業務の時間外労働時間の上限が年間で960時間に規制されることによって発生する問題のことを指します。

問題の一つ目は、物流業者や運送業者の売り上げや利益が減少する点です。規制によってドライバーの労働時間が減ると、1日に運べる荷物の量が少なくなります。売り上げや利益を維持するには運賃を上げなければなりませんが、同業他社との競争が激しく荷主との価格交渉は簡単ではありません。

また、法改正によって月60時間を超える時間外労働の割増率は、これまでの25%から50%に引き上げられるため、人件費が増加して利益が減少することが予想されます。

問題の2つ目は、労働時間が減ることによるトラックドライバーの収入減少です。一般的に、トラックドライバーには走行距離に応じて運行手当が支給されます。労働時間の規制によって、走行距離が短くなれば収入が減少してしまいます。収入が下がれば離職する人が増えることも考えられ、さらなる人材不足になる可能性があります。

参考:国土交通省自動車局貨物課「トラック運送業の現状と課題について」

ドライバーの採用状況

厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について」によると、自動車運転の職業(ドライバー)の有効求人倍率は2.65でした。

有効求人倍率とは、企業の求人数(有効求人)をハローワークに登録している求職者の数で割った値のことです。倍率が高くなれば、求職者に対して、人材を採用したい企業が多い売り手市場を示しています。

職業計の有効求人倍率が1.31なので、比較すると自動車運転の職業(ドライバー)は、かなり採用が難しい状況と言えます。

トラックドライバーの採用が難しい理由としては、次の3つがあげられます。

1.交通事故の危険性
自動車を運転している以上、交通事故の危険は避けられないものです。特にトラックの場合には、車両が大きいことから自分が被害を受けるより、相手側に危害を与えてしまうケースの方が多いと言えます。

全日本トラック協会がまとめた「事業用貨物自動車の交通事故の発生状況」によると、大型、中型、準中型、普通車ともに、死傷事故は減っていますが、トラックドライバーに対して危険なイメージを持っている人は多くいます。

参考:全日本トラック協会「事業用貨物自動車の交通事故の発生状況」

2.家族の反対
交通事故の原因が長時間労働にあるということも、トラックドライバーの求人が敬遠されている理由です。今回の働き方改革関連法の改正によって、時間外労働時間が規制された通り、これまでは長時間労働が当たり前でした。

そのため本人が働きたいと思っても、奥さんや家族が反対するため入社を辞退するということも起こっています。

3.免許制度
トラックドライバーは、他の職種に比べて平均年齢が高い傾向にあります。その原因の一つにあげられるのが免許制度です。2017年の免許制度改正によって、準中型免許が新設されたことで、若者がトラックを運転するハードルが高くなりました。現行の免許制度では、普通免許で運転できるトラックが限られています。

参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について」

求人作成の基本の3ステップ

求人の効果を高めるためには、採用したい人材に合わせた求人票を作成することが大切です。この章では求人作成の3つのステップを説明します。

採用したい人物像を明確にする

求人を作成する前に、自社が採用したい人物像を明確にしましょう。トラックドライバーの求人の場合、経験者と未経験者では、仕事を探す際に重視するポイントが異なります。

経験者の場合には、今の会社より良い給与や待遇などの条件を求めて転職するケースがほとんどです。一方で、未経験者の場合には、研修制度や資格取得費用の補助などが気になるでしょう。

何を伝えたいか決める

採用ターゲットが明確になったら、ターゲットが知りたいと思う情報を整理しましょう。整理する際には、まず自社の特徴や魅力をすべて洗い出してみるのがおすすめです。洗い出した中から、ターゲットが興味や関心を持ちそうな項目を決めます。

なお、ターゲットの設定が細かすぎたり、ハードルが高すぎると応募者が集まらない可能性があるので注意が必要です。

どのように伝えるか考える

ターゲットに伝えたい内容が決まったら、次はどのように伝えるかを考えます。大切なのはターゲットが実際に働くイメージを抱けるかどうかです。作成した求人は、第三者の客観的な目で確認してもらいましょう。特に未経験者を採用したい時には、業界用語や専門用語を使わず、わかりやすく表現することが求められます。

ドライバー求人作成のポイント

求職者は、求人票や求人広告の内容を確認して、応募する企業を選びます。つまり、求人票や求人広告の書き方次第で、応募が集まるか集まらないかが決まるのです。では、どのような求人を作成すると応募者を獲得できるのかポイントを紹介します。

職種名

トラックドライバーの場合には、使用するトラックの大きさによって応募時に必要な運転免許が違ってきます。そのため、職種名には運転するトラックの種類を入れるようにしましょう。

■ 具体的な記載例
・2tトラック運転手
・中型トラック運転手
・大型トラックドライバー

仕事内容

ドライバーの場合には、積み荷や走行距離、配送件数、運行スケジュールなどの内容が仕事を選ぶ上で、重要な判断材料となります。求人を作成する際には、できるだけ具体的に記載しましょう。

■ 具体的な仕事内容の例
・積み荷は何か、荷物の大きさや重量、梱包形態
・1日の走行距離(近距離、中距離、長距離)
・1日の配送件数
・1日の運行スケジュール
・高速道路の利用の有無
・荷物の積み込み方法と積み下ろし方法(手積み、リフト、パレットなど)

勤務時間や休日

トラックドライバーは勤務時間が長く、休日が少ないイメージがあります。勤務時間や休日については、できるだけ詳しく記載します。定期的な休日や連休があれば記載して、しっかりと休めることをアピールしましょう。

■ 具体的な記載例
・完全週休2日制、長期休暇あり
・日曜日の他に月3~4日の休日あり、連続休暇の取得可能
・GW、夏季、年末年始は3日以上の休みあり
・年間休日 115日

給与や手当

転職者の場合には、より収入を得られる企業を探して転職する傾向にあります。そのため基本給だけでなく、支給される各種手当についてももれなく記載しましょう。

■ 具体的な記載例
・固定月給〇〇万円+時間外手当〇万円+深夜手当〇万円
・各種手当有(早出、休出、無事故、精勤、家族手当、住宅手当)

使用する車両について

業務で使用する車両がアピールポイントとなることもあります。ドライバー一人ひとりに専用車両を割り当てている場合には、ぜひ記載することをおすすめします。ドライバーは車内にいる時間が長いため、車内空間へのこだわりを持っている方が少なくありません。

また、カーナビゲーションシステムやバックカメラ、ドライブレコーダーなどが設置されている場合にも、競合他社との差別化になる可能性があります。

まとめ

オンラインショップなどの増加により、物流業界の需要が増して人手不足が深刻な状況となっています。さらに「2024年問題」によって、ドライバーを中心にさらに人材が不足する可能性があります。

ドライバーの採用を成功させる一番のカギは、求人の内容を見直すことです。本記事を参考に、求職者が興味や関心を持つような求人を作成しましょう。

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