採用

2022.10.14

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【採用難】採用ミスマッチの原因と対策とは

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採用ミスマッチとは、従業員を採用した企業と、採用された従業員との間に発生する認識や価値観の相違です。

採用ミスマッチは、早期離職につながり、採用や教育にかけた時間やコストが無駄になるばかりか、残った従業員のモチベーション低下も引き起こします。本記事では採用ミスマッチが起きる原因と対策について詳しく解説します。

採用ミスマッチが起きる原因とは

人事担当者や採用担当者が、一番頭を悩ませるのが採用ミスマッチではないでしょうか。まず最初に、採用ミスマッチが起きる原因について考えてみましょう。

離職の状況

採用ミスマッチは早期離職につながります。厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、高卒で企業に入社した人の36.9%、大卒の31.2%と3人に1人が就職後3年以内に離職しています。

また、「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、常用労働者数に対する離職者数の割合である「離職率」は、平成19年以降は15%前後で推移しています。これは、例えば従業員100名の規模の企業であれば、毎年およそ15人が退職しているということです。

参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
参考:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」

離職する理由

「令和3年雇用動向調査結果の概況」の「転職入職者が前職を辞めた理由」をみると、離職した理由で多かったものは次の通りです。

・労働時間、休日等の労働条件が悪かった
・職場の人間関係が好ましくなかった
・給料等収入が少なかった
・仕事の内容に興味を持てなかった

採用ミスマッチが起きる3つの原因

上記のように離職の理由は人それぞれですが、その多くが採用ミスマッチが原因です。では採用ミスマッチが起きるのはなぜなのでしょうか。主な原因を3つ紹介します。

①求人票に良いことだけを書いている
採用ミスマッチが起きる原因のひとつに、求人票に記載している情報が少ないことがあげられます。特に、応募者を多く集めたいという意識が働き、自社とってデメリットとなる情報については積極的に記載せず、良い点だけを伝えがちです。

その結果、応募者は企業に対する理解が浅いまま入社してしまい、入社後にミスマッチを感じます。

離職理由で多かった「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」や「給料等収入が少なかった」は、応募時に十分に説明していれば、ほとんどのケースでミスマッチや離職を防ぐことができたのではないでしょうか。

②面接で見極めできていない
自社の求める人物像と応募者がマッチしていなければ、企業にとっても応募者にとってもマイナスです。応募者は、面接で自分を良く見せようと努力します。面接官は、応募者の性格や志向性など内面についても評価する必要があります。

ここで、面接官が主観的な判断をしてしまっては、自社に合った人材かどうかを的確に評価することはできません。

③入社後のフォロー不足
給与や労働時間、休日などの待遇や労働条件は、求人票に記載したり、面接時に説明できますが、職場の雰囲気や人間関係は入社して実際に働いてみないとわかりません。そこで大切なのは、入社後のフォローです。

新卒採用にしても中途採用にしても、入社してすぐは慣れない環境でストレスを感じるものです。フォロー不足で新入社員が不安や不満を抱えると、離職につながる可能性が高くなります。

ミスマッチが会社に与える影響とは

採用のミスマッチは、会社にとって大きな損失です。具体的にどのような影響があるのか解説します。

採用コストや教育コストの損失

これまで説明してきた通り採用ミスマッチは、早期離職につながります。社員が早期離職すると、これまで採用するためにかけたコストや、育成するための教育コスト、支払ってきた給与などがすべて無駄になってしまいます。

採用コストは、新卒採用と中途採用、正社員とアルバイトによっても、会社の規模によっても異なりますが、少ない金額ではありません。特に近年は売り手市場によって採用コストが増大し、経営の負担になっているという企業もあります。

採用ミスマッチによって早期離職となった場合には、その人材にかけた採用や教育のコストが無駄になるだけでなく、新たな人材を採用育成するコストも必要になります。

パフォーマンスを発揮できない

仕事の内容や待遇を入社前に正確に伝えていなかったり、社風や会社の経営方針と合わない場合には、入社後に社員はミスマッチを感じることになります。ミスマッチを感じた状態では、十分にパフォーマンスを発揮することができません。

「転職入職者が前職を辞めた理由」に、「仕事の内容に興味を持てなかった」とあった通り、応募者が希望していた仕事ではなかったり、仕事に対する適性を持っていない人材を採用してしまったケースでは、会社が社員に期待する活躍は見込めないでしょう。

現場のモチベーション低下

採用ミスマッチは、採用された社員だけではなく、周囲の社員にも影響を及ぼします。採用しても早期離職するような状況が続けば、人事担当者、採用担当者、教育担当者のモチベーションも低下します。

また配属先の現場でも、それまで仕事を教えた時間や手間が無駄になるばかりか、他の社員の業務不可が増えるなどして不満となる可能性があります。

ミスマッチを起こさないための5つの対策

採用ミスマッチを起こさないためには、どのような点に気をつけて採用活動を行えばよいのでしょうか。5つのポイントを紹介します。

①自社が求める人物像を明確にする

採用ミスマッチを防ぐには、まず「採用要件」を明確にしましょう。採用要件とは、求める人物像の基準を明確にしたものです。自社にマッチした人材かどうか見極めるためには採用要件の設定が欠かせません。

採用要件が明確になっていないと、なんとなく「入社後に活躍できそうだ」や」自社に合いそうだ」と採用してしまい、入社後にミスマッチが起こる可能性が高くなります。

②仕事の内容や雇用条件をしっとりと伝える

仕事の内容や給与や休日などの雇用条件が、応募者に伝えているものと実際で違いが無いか確認しましょう。注意すべき点としては、応募者に都合の良いことだけ伝えていないかということです。これは社員の不満となり入社後のミスマッチが起きる大きな原因となります。

仕事の内容では具体的にどのような仕事をしてもらって、会社はどのような成果を期待しているのか。給与や休日などの雇用条件では、実際に手取り額はどのぐらいになるのかや、残業や休日出勤があるのかなどを伝えておきましょう。

③自社の良い点ばかりでなく悪い点も伝える

採用活動では、応募者を多く集めるために自社の良いところばかりをアピールしがちです。しかし、これまで説明してきた通り採用ミスマッチが起こると、会社には大きな損失となります。

採用ミスマッチを防ぐには、選考の段階から会社の悪い点についても素直に伝えることです。悪い点について知った上で入社した社員は、早期離職せず長く活躍してくれる可能性が高いでしょう。

④適性試験の導入

適性試験は受験者の素質や考え方を診断でき、面接だけでは判断できないストレス耐性や組織適応力なども見極めることができます。また、自社で活躍している人材の適性試験の結果を採用の参考にすることもできます。
似た傾向の応募者を選ぶことで、入社後の定着率や活躍の可能性が高い人材を採用できる可能性があります。

⑤入社後も定期的にフォローする

採用ミスマッチを起こさないことも大切ですが、早期離職を防ぐには入社後の定期的なフォローも大切です。

前述しましたが、入社してすぐは誰でも慣れない環境でストレスを感じるものです。また、どんなに自社の採用要件にマッチした人材を採用しても、周囲のフォローが無ければ活躍は難しいでしょう。

入社後は、定期的に面談を行って困っていることや悩みがないかフォローしましょう。もし、社員がミスマッチを感じているようなら、どのような点がミスマッチとなっているのか確認することで、今後の採用ミスマッチを防ぐことができます。

まとめ

採用ミスマッチは、「採用コストや教育コストの損失」「社員がパフォーマンスを発揮できない」「現場のモチベーション低下」など、さまざま悪い影響を会社に与えます。

現在、日本は少子高齢化社会による労働人口の減少によって、人手不足が深刻な企業も少なくありません。せっかく採用した人材が早期離職したり、十分なパフォーマンスを発揮できないといった事態を避けるためにも、ミスマッチが起きないように採用活動を進めましょう。

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