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2021.12.22

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アフターコロナで働き方・転職市場はどう変わる?

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2019年から流行が拡大した新型コロナウイルス感染症によって、日本経済に大きな影響を及ぼしました。今後迎えるアフターコロナでは、我々の働き方や転職市場はどのように変わるのでしょうか。この記事ではアフターコロナでも需要が伸びる業種やアフターコロナで必要とされる人材について解説します。

アフターコロナとは?

新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種や治療薬の開発などが進められていますが、現在も感染流行の終息が見えていません。次々と新たな変異株が発見されるなど、今後も繰り返し流行する可能性が高いと予想されることから、「新型コロナウイルスと共存共生」するという意味の「ウィズコロナ」という表現が使われることがあります。

一方で、「アフターコロナ」とは、新型コロナウイルス感染症の流行が収まった後の事を指しています。同じ意味で使われている言葉に「ポストコロナ」があります。アフターコロナやポストコロナは、コロナ禍の後にどのようにしたら良いか、社会のあり方を論ずる際に使われる表現です。

新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、我々の生活や社会のシステムに大きな影響を及ぼしました。感染予防策として、外出自粛や移動制限などが行われたことで、経済や雇用に大きな影響が出ています。特に打撃を受けたのが、インバンド(訪日外国人客)が激減した観光産業と、休業や営業時間短縮を要請された飲食や外食産業で、先行きの見通しが立たない状況で倒産する企業も出ています。

新型コロナ流行で変化した働き方

政府は、新型コロナウイルス感染症の感染予防策として、人と人との接触を避けるため、会社への出勤を抑制して自宅で働くテレワーク導入の推進を企業に要請しました。テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間の制限を受けずに自宅や移動中などで業務を行う柔軟な働き方です。

国土交通省が発表した「令和2年度テレワーク人口実態調査」によると、雇用型就業者におけるテレワーカーの割合は、平成28年の13.3%から令和2年は23.0%と大幅に増えています。特に首都圏で働く方のテレワークの割合は34.1%となっています。新型コロナウイルス感染症の感染対策として導入が進められたテレワークですが、働く方にとっては次のようなメリットがあります。

ワークライフバランスの実現
例えば片道1時間かけて通勤している場合には、テレワークによって在宅勤務すると1日に2時間の通勤時間を、家族や友人と過ごす時間や育児や介護、自己啓発のためなどプライベートな時間に充てることができます。
また「通勤や人間関係のストレスが無くなった」「仕事に集中できるので生産性が向上する」といったメリットもあります。

業務のIT化による生産性向上
テレワークには、ITツールを導入しペーパーレスで業務を行える環境を整えることが必要です。業務をIT化することで、オンラインで迅速に情報共有が行える、書類のペーパーレス化により印刷が不要になる、データ入力や集計業務が自動化できるなど、業務の効率化が図れ生産性の向上が期待できます。

副業・複業へチャレンジするチャンス
テレワークによって時間の余裕が生まれることで、「もっと収入を得たい」「違う分野の仕事に挑戦したい」という人は、副業や複業にチャレンジするチャンスにつながります。もちろん会社が副業を許可している場合に限られますが、副業をすることでスキルアップや将来のキャリアチャレンジの可能性が広がります。

参考:国土交通省「令和2年度テレワーク人口実態調査」

需要が増えると予想される業種は?

新型コロナウイルス感染症の流行拡大による外出自粛や移動制限は、観光業や外食産業に大きなダメージを与えましたが、一方で業績が伸びた産業もあります。それらの産業では、アフターコロナでも求人需要が伸びると予想されます。

IT業界
テレワークの導入が進められた結果、関連するシステムや機器、サービスを扱うIT業界の業績は好調です。今後も産業や医療、教育などあらゆる分野で、オンライン化とデジタル化が進められると予想されます。
新型コロナウイルス感染症が流行する前から、IT業界ではシステムエンジニアやプログラマーなどのIT人材が不足していました。経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足する予想されています。

EC業界
コロナ禍で旅行やチケット販売などサービス系ECは落ち込みましたが、生活家電、AV機器、パソコン関連機器、食品、飲料、酒類などのカテゴリーでEC販売が大きく伸びています。
テレワークの導入が広がる中で、自宅での仕事環境の整備がパソコンや周辺機器の需要を後押ししたと考えられます。また、食品、飲料、酒類はコロナ過の影響で店舗で購入していた人が、外出を避けてインターネット通販に移行。今後も、EC市場は拡大傾向が続くと予想されます。

物流・倉庫業界
コロナ禍の巣ごもり需要を受けて、インターネット通販や宅配サービスなどが拡大して物流業界は深刻な人手不足となっています。不足しているのはドライバーだけでなく、倉庫に荷物を保管しドライバーに受け渡す倉庫のスタッフも足りない状況が続いています。
最近では、大手のEC業者や家具メーカーが独自の物流網を整備する動きを見せるなど、各社が物流部門に力を入れています。

エンタメ業界
外出自粛や移動制限により自宅で過ごす時間が増えたことで、動画配信や音楽配信、オンラインゲーム、電子書籍などの利用者が増えています。特にオンラインゲームは、オンラインで他の人と交流できることから、コロナ過で減った人との交流やコミュニケーションを取る手段として注目されています。

医療業界や衛生用品業界
変異種が次々と発見されるなど、ワクチン接種が進んでも、新型コロナウイルス感染症の流行が、いつ終わりになるかは見通せない状況です。ウイルス感染を予防するためには、今後もマスクの着用や手指の消毒といった、個人でできることは継続する必要があります。そのため、今後も医療用品や衛生用品の需要は、増加することはあっても減少することはないと予想されます。

介護・福祉業界
介護・福祉業界は、新型コロナウイルス感染症が流行する前から、人材が不足となっていた業界です。コロナ禍で消毒作業などの業務が増えて、人材不足は深刻な状況です。今後も高齢者は増加し続けるため、介護や福祉に関わる人材はさらに需要が伸びることが確実です。

アフターコロナで必要とされる人材とは?

これまで紹介してきた通り、テレワークの導入拡大など、新型コロナウイルス感染症の流行によって我々の働き方は大きく変化しています。今後のアフターコロナで、企業から必要とされる人材とは、どのような人材なのでしょうか。

■コミュニケーション能力が高い人材
アフターコロナで必要とされるスキルに、コミュニケーション能力があげられます。アフターコロナでは、テレワーク中心の働き方になり、社員間のコミュニケーションの機会が少なくなります。
また、オンラインでのコミュニケーションでは、お互いの表情や仕草から読み取れる情報が少なくなるため、言葉以外の雰囲気を察することが難しくなります。組織で成果を上げるためには、メンバー間のコミュニケーションが重要になるため、アフターコロナではコミュニケーション能力が高い人材が必要とされます。

■環境に左右されず業務に集中できる人材
テレワークにはさまざまなメリットがありますが、一方でオフィス勤務の方が仕事に集中できるという方も多くいます。テレワークや今後変化する働き方や環境に対応していくには、環境に左右されずに、自分の業務に集中できることが求められます。

■高度なスキルや知識を持っている人材
コロナ過で雇用が不安定になっても、高度なスキルや知識を持っている人材は、どの企業からも求められます。テレワークにより教育訓練の機会が減る中で、自ら学びスキルを高める意識のある人は、アフターコロナでも必要とされる人材となるでしょう。

まとめ

新型コロナウイルス感染症の流行により、我々の働き方は大きく変化しています。外出自粛や移動の制限により影響を受けた業界がある一方で、コロナ過でも好調に伸びている業種もあります。これからの転職を考えている方は、アフターコロナの転職市場の予測を参考にして、業種や職種を選ぶことも大切です。

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