転職

2021.10.26

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派遣社員から正社員になるためのポイント

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現在は派遣社員として働いているけど、将来は正社員になりたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
よく派遣社員から正社員になるのは難しいと言われることがありますが、実際に難しいのでしょうか。
この記事では、派遣社員から正社員に転職するための方法や履歴書の書き方や面接での答え方について解説します。

派遣から正社員を目指すのは難しい?

厚生労働省が公表した「非正規雇用の現状と課題」を見ると、2020年で派遣社員や契約社員、アルバイトなどの非正規雇用の人は2,090万人でした。正社員として働きたいと思っているのに機会がなく、非正規雇用で働いている人(不本意非正規雇用)の割合は、非正規雇用労働者全体の11.5%、人数にすると230万人になります。

この230万人には、パートやアルバイトなど派遣社員以外に人も含まれていますが、実際に派遣社員の方で、正社員になりたいと希望していても、なかなかなれない人はいます。一方で、派遣社員から正社員になることができた人もたくさんいるのは確かです。では、派遣社員から正社員になることができた人は、どのような方法で正社員になったのでしょうか。

参考:厚生労働省「非正規雇用の現状と課題」


<派遣社員から正社員になるメリット>
先ほどの厚生労働省が公表したデータで、不本意非正規雇用の人は非正規雇用労働者の11.5%でしたが、逆に言うと88.5%の人は非正規雇用の働き方を望んでいると考えられます。では、ここで派遣社員から正社員になるメリットにはどのようなものがあるかみてみましょう。

安定して働ける
派遣社員と正社員で一番違うのは、雇用期間に定めがないことです。労働者派遣法によって、派遣労働者が同じ職場や部署で働けるのは3年が上限と決められています。そのため派遣社員の場合には、契約が終了した途端に収入が途絶える不安があります。しかし、正社員には、雇用期間の定めがないため安心して働くことができます。

給与以外の収入が期待できる
正社員には、毎月の給与以外にも賞与や各種手当などが支給される会社がほとんどです。そのため、一般的には派遣社員から正社員になると収入がアップします。また、長期間勤務した場合に退職金が支給される会社もあります。

昇給や昇格できる
派遣社員は、そもそも雇用期間が3年と限られているためスキルアップしても、なかなか評価されることはありません。しかし、正社員では評価に合わせて昇給や昇格の可能性があります。


<派遣社員から正社員になるデメリット>
派遣社員から正社員になるには、雇用や収入が安定する、頑張れば昇給や昇格できるなどのメリットがありますが、一方でデメリットもあるので理解しておく必要があります。

派遣社員の場合には、希望する勤務地を選んで働くことができますが、正社員になると、異動や転勤を命じられる可能性があります。また、派遣社員は基本的に契約以外の仕事はする必要がありませんが、正社員は幅広い業務を担当することが求められるため、自分が希望する業務以外もしなければなりません。また正社員になると残業や休日出勤を命じられることもあります。

派遣社員から正社員へ 転職のポイント

派遣社員から正社員を目指すには、どのような方法があるのでしょうか。
3つの方法をご紹介しますので、そのなかから自分に合った方法を選択してください。

①今派遣されている企業で正社員登用を目指す


今派遣されている会社に正社員登用の制度があれば、派遣期間終了後に正社員として雇用されるチャンスがあります。人事部などに正社員登用制度があるかを確認してみましょう。過去に派遣社員から正社員になった前例がなかったり、正社員登用制度がない場合には、いくら正社員になりたいと思っても非常に難しいでしょう。その場合には他の会社への転職を検討した方が良いかもしれません。

なお、厚生労働省が「キャリアアップ助成金(正社員コース)」として、派遣社員などの有期雇用労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用するなど、正社員化に取り組んだ企業に助成金を支給しています。現在、正社員登用制度がない会社でも、この助成金により派遣社員の正社員化を検討している可能性もあるので、確認してみましょう。

参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金(正社員コース)」


②正社員の求人に応募する


今派遣されている会社では正社員になるのが難しい、他に働きたい業界ややってみたい仕事があるといった場合には、転職活動を行って正社員の求人に応募する方法もあります。

転職活動をスタートするには、今の職場で働きながら準備を進めるか、それとも派遣期間が切れて退職してから転職活動に集中するのか、2つのタイミングがあります。転職活動を始めても、すぐに希望する会社への転職が決まるとは限りません。退職してから転職活動をする場合には、収入が途絶えてしまうことから生活に困窮したり、焦ってしまい本来の希望とが違う求人に応募していますケースも考えられます。一般的に、転職活動には3か月ほど必要などで、派遣期間終了から逆算して転職活動を始めるのがおすすめです。

③紹介予定派遣の仕事に応募する


紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に直接雇用することを前提として働く人材派遣のシステムのひとつです。通常の派遣は同じ部署や職場で働く場合、派遣期間は最大で3年が限度と法律で定められていますが、紹介予定派遣は、直接雇用を前提としていることから、派遣期間は最大で6カ月です。派遣期間終了後に、派遣先の会社と派遣社員の双方が合意すると、直接雇用契約を結びます。

希望する会社や職種で紹介予定派遣の求人があれば応募すると良いでしょう。ただし、紹介予定派遣だからといって、必ず直接雇用されるとは限りません。また、直接雇用でも正社員ではなく契約社員の場合もあるので注意が必要です。

履歴書の書き方や面接の重要ポイント

正社員の求人に応募する際にも、紹介予定派遣に応募する際にも必要となるのが履歴書です。特に「職歴欄にどのように書いたらよいかわからない」という人もいるのではないでしょうか。この章では履歴書の書き方と面接のポイントについて紹介します。

<履歴書に職歴を書く際のポイント>
企業の採用担当者は、一般的に派遣社員の職歴よりも、正社員としての職歴を重視します。そのため、履歴書の職歴欄は、採用担当者にマイナスの印象を与えないような書き方を意識することが大切です。

■派遣先の会社が少ない場合
履歴書の職歴欄に企業名を書いただけでは、採用担当者にこれまでどのような仕事をしてきたのかは伝わりません。派遣された企業が少なく職歴欄に余裕がある場合には、行を変えて配属された部署名や担当した業務内容も記載しましょう。

■派遣先の会社が多い場合
派遣先の会社が多い場合には、派遣元ごとにわかりやすくまとめて記入しましょう。それでも派遣元も複数あり、派遣先も多い場合には職歴欄に全て書ききれないケースもあります。その時は部署名や業務内容など書ききれない部分は、職務経歴書に詳しく書くようにします。
派遣先が多いと、履歴書に書ききれずに職歴を省略したくなるかもしれません。しかし、職歴は全て記入するのが基本です。省略して空白の期間があると採用担当者にあまり良いイメージを持たれません。

■記入する時の注意点
直接雇用で企業で働いた場合には、「入社」「退社」と記入します。しかし、派遣社員の場合には、あくまで派遣元から派遣されているスタッフなので「就業」「派遣期間満了」と書きます。また、派遣期間満了前に、自分から希望して辞めた場合には、「一身上の都合により退社」と書きます。

<派遣から正社員への面接で聞かれる質問>
派遣社員が正社員の求人に応募した際に、面接で質問されることが多い項目について紹介します。

なぜ派遣で働いていたのか
面接官は「派遣で働いていた理由」を質問することで、仕事に対する価値観や目的意識を確認したいと思っています。もし、派遣社員として働いていた理由が「正社員を目指していたが採用されなかった」など、不本意なものであったとしても、そのまま伝えるのは避けましょう。
「派遣の仕事を通じてスキルを身につけ、ステップアップしたいと考えた」や「いろいろな企業で働くことで幅広い知識を得たかった」など、ポジティブな言い回しにして回答しましょう。

なぜ正社員になりたいのか
実際には「長期的に雇用が保障される正社員になって、経済的な安定を得たい」というのが理由だとしても、それだけでは面接官には消極的な印象を与えてしまいます。「正社員の立場で責任のある仕事をしたい」や「スキルアップしたい」など前向きさをアピールして、志望動機や入社後のビジョン、キャリアプランと合わせて入社への熱意を伝えましょう。

まとめ

この記事では、派遣社員から正社員に転職するための方法や履歴書の書き方、面接での答え方について紹介しました。
最後にもう一つ重要なことは正社員になるための心構えを持つことです。本文でも解説しましたが、派遣社員は決められた業務だけを行えばよいですが、正社員は他の部署や社員と連携して幅広い仕事をこなさなければなりません。また仕事への責任も大きくなります。ただ安定して働きたいや収入が増えるからといった理由だけでは、正社員として採用されるのは難しいでしょう。
なぜ正社員になりたいか、正社員になって何をしたいのかを明確にするのが正社員への転職を成功させる一番のポイントです。

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