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2021.09.10

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今注目の「ジョブ型雇用」現状の雇用制度と何が違う?

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近年、日本では少子高齢化による労働人口の減少により、多くの企業で人材不足が深刻な経営課題となっています。 また、働き方改革や新型コロナウイルス感染症の流行拡大によるテレワークや在宅勤務の急速な広がりなど、企業は人材確保や人材育成のためにさまざまな取り組みを行っています。そこで注目されているのが「ジョブ型雇用」です。

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違い

最近、注目されている「ジョブ型雇用」ですが、どのような特徴があるのでしょうか。メンバーシップ型雇用との違いを解説します。

【ジョブ型雇用】
「ジョブ型雇用」とは、企業が職務内容や勤務地、労働時間などの条件を定めて人材を採用する雇用方法です。ジョブ型雇用では、予め職務内容が明確に定められているため、応募者には職務を遂行するための経験やスキル、知識が求められます。
欧米型の雇用システムと言われることがありますが、欧米だけでなく世界的に見てもジョブ型雇用が一般的です。日本でも、ジョブ型雇用はありますが、新卒採用より中途採用に多く見られます。

【メンバーシップ型雇用】
ジョブ型雇用と対比して使用される言葉が「メンバーシップ型雇用」です。メンバーシップ型雇用とは、職務内容や勤務地などを定めずに雇用する方法で、日本では、特に新卒一括採用において主流となっている雇用方法です。
メンバーシップ型雇用の場合の職務内容は、会社の人材育成計画や会社の都合によって変わっていきます。そのため必要とされるスキルや知識は、1つの分野ということではなく総合的な能力が求められます。
またキャリアアップには、異動や転勤を伴うケースも多くあります。

企業と労働者双方のメリット・デメリット

ジョブ型雇用を導入する際には、企業と労働者双方のメリットとデメリットを理解しておく必要があります。

【企業側のメリットとデメリット】
ジョブ型雇用での企業側のメリットとしては、専門性の高い人材を採用できること、企業が必要とする専門分野の人材を効率よく採用、また育成しやすいことです。
また、企業が求めるスキルを持った人材を採用し、応募者にも具体的な業務をイメージした上で入社してもらえるため、ミスマッチによる離職を防ぐことができます。
そして職務に必要なスキルを持った人材を、適切な部署に配属できるため生産性の向上が見込めます。

企業側のデメリットとしては、会社の都合によって異動や転勤をさせることが難しい点があります。そのため将来のリーダーとして育成するために、社内の幅広い分野の仕事を経験させたいと思っても、本人の承諾がなければ部署を動かすことができません。
またジョブ型雇用は、終身雇用制度を前提としていないため、自社より待遇の良い企業があれば転職される可能性があります。そのため長期的な人材の育成には向いていないと言えます。

【労働者側のメリットとデメリット】
ジョブ型雇用の場合、自分の専門分野の仕事に集中できるため、従業員にとってはスキルを磨きやすいのがメリットです。さらにジョブ型雇用では職務内容によって報酬が決まるため、スキルを磨けばその分収入アップが見込めます。
また、勤務地や配属先が決まられているため、転勤や異動を命じられることがありません。そのため育児や介護などがあっても、安心して生活することができます。

デメリットとしては、長期的な雇用の保障が無いことです。メンバーシップ型雇用では異動や職務の変更が可能なため、事業の方針転換などで担当業務が無くなったとしても、別の業務を担当することができます。
しかし、ジョブ型雇用では職務内容が決められているため、自分の業務が無くなった時には、引き続き雇用される保障はありません。

なぜ今「ジョブ型雇用」が注目されているのか

日本で、ジョブ型雇用が注目され始めたきっかけの一つには、2020年1月に経済団体連合会(経団連)が公表した「経営労働政策特別委員会報告」の中で、転換期を迎えている日本型雇用システムとしてメンバーシップ型雇用を見直すべきと提言したことがあげられます。実際に大手企業がジョブ型雇用を導入したこともあって話題となりました。

もう一つの理由として、ITエンジニアなど専門職の人材不足です。現在の日本では少子高齢化による労働人口減少などの理由により、多くの企業で深刻な不足となっています。
その中でも、ITエンジニアなどの専門職は特に不足しています。先ほど紹介したようにジョブ型雇用では、専門性の高い人材を効率よく採用、育成することが期待できます。
これまでのメンバーシップ型雇用では、不足するエンジニアの確保や育成が難しいこともあって、ジョブ型雇用の導入を検討する企業が増えてきたと考えられます。

まとめ

今回は、「ジョブ型雇用」の特徴と、これまで日本で従来導入されていた「メンバーシップ型雇用」との違いなどについて解説しました。最近、注目を集める「ジョブ型雇用」ですが、企業と労働者双方にメリットもデメリットもあるため、導入を検討する際にはそれらを把握した上で、慎重に進めることが大切です。

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